日経日曜記事の欺瞞(高齢者への負担増)
この記事は2002年以降の税制改正等によって高齢者への負担が急増したという造作が元になっている。記事の内容にウソはないようだ。社労士や税理士にも関与させているから、数年前のヘボ記事に比べれば正確性は高くなっている、と言える。
問題は対象となる夫婦が相応しいのかどうかということだ。実際に取材したかどうかは知らないが、対象となった夫婦の年金収入は二人で300万となっているから、平均よりは30万ほど高い感じがする。なぜそうしたのかと言えば、夫210万妻60万では昔も今も所得税がかからず、住民税もわずかで、記事の趣旨に合わないからだ。
そこで、記事の趣旨を更に徹底するため、モデル夫婦は夫の年収300万妻70万しかも、国保保険料の高い大阪市と福岡市に居住としていた。
これは、どう見ても変でしょう。税制改正前には300万の年金があっても(配偶者の所得がゼロのときは)所得税はかからなかった。つまり、2000年頃には妻が100万の年金で400万の収入でも税金を払っていなかったのだ。それを是正してきたのである。もちろん、納税者個人からみれば増税で負担が増えた。しかし、400万の世帯収入で税金を払わないのはおかしいというのが、今の考え方であり、このような高額所得者に負担をさせない道理などないだろう。日経の記事はこのことを捉えて、負担が増えて大変だと書いているのである。これはおかしい。
国保料や介護料はこうした配偶者控除などの影響を受けないようにしているから、割高になる。これが高くなれば負担は増える。しかし、400万の世帯収入なら、50万の租税公課があっても楽勝である。これが70万になっても何の問題もない。つまりこのことによって高齢者の負担が増え問題が発生していると言えるのは、ほとんどいないのだ。大体、年金生活になって貯金が増えるなどと言うのは異常なのだ。多くの高齢者にとっては、「どこの世界の話しか?」という感じだろう。ところが、自分の年金の手取りも年々減っているから、この記事に影響を受けてしまい、最終的に、高齢者は虐げられているという気持だけが記憶に残るのである。
高額所得者の問題を論じて、一般の人々の不安の背景とすることは欺瞞である。本当は現在高騰している国保保険料の問題を中心に論ずるのが筋である。
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